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ベンド許容量

ベンド許容量の計算では、K ファクターという手法を用います。これは、中立線 (下図のt) の場所の材料厚 (T) に対する比率です。メタルを曲げると、材料の内径は圧縮され、材料の外径は引き伸ばされます。中立線とは、材料が圧縮された状態から引き伸ばされた状態に移る、圧がちょうどゼロの点です。

K　ファクター = t/T

K ファクターは、ジオメトリックな計算で、与えられたベンド工程のための物理的なファクター（材料の種類、曲げ操作タイプ、ツール、など）を取ることはありません。このため、特定の設定における実際の K ファクター値を知るには、実際に行ったベンド操作の結果から逆算するしかありません。つまり、メタルをベンドし（曲げ）、結果を計測し、K ファクターを計算します。

SpaceClaim は正確な K ファクターを決定するため、K ファクターを変更したり頻繁にベンドテーブルを変更しなくても正確な結果が得られます。ディフォルトのベンド許容量により、通常のツールと通常のプレスブレーキで作成される通常のベンドでは、正確な結果を得ることができます。基本的なパーツの場合は、ディフォルトの許容量を使用します。特別なケースでは、ベンド許容量テーブルを使用できます。

以下に、SpaceClaim で使用するディフォルト値の曲線を示します。

グラフでは、赤色、青色、緑色の三つの部分を示しています。

• 赤の部分は、ベンド半径が材料の厚さよりも小さい部分を表します。スチールの圧縮率には物理的な制限があるため、エアベンド工程で厚さよりも小さい半径のベンドをつくることは難しくなります。
• 青色の部分は、内径値が増加したとき、K ファクターは一定とはならないことを示しています。内径値は、約 0.5 まで増加します。この時点で、内径値は材料板厚の約四倍となります。材料をこれ以上引き伸ばすことはできないため、内径値はこれ以上増加しません。0.5 より大きい K ファクター値は不可能です。
• 緑色の部分は 0.5 で一定であり、これは半径が材料の厚さの四倍を超えるベンドの中立軸です。

赤色と青色部分の境界点は重要です。それは、ベンド半径が材料の厚さに等しいことを表します。法線のベンドに対して、逆計算は K ファクターが次のようになります：

K = (4-PI) / PI = 0.27324

これはプレスブレーキの製造で確認することができます。この値は実際の物理的な結果に基づいているので、法線のベンドに関しては正しいといえます。

材料と工程について、ベンド許容量テーブルを作成する方法もあります。テーブルに値が埋まったら (一度だけの作業)、テーブルを使用して展開するか、ディフォルト値を使用します。

ストラクチャーツリーの最上位レベルで選択されたシートメタルデザインでは、[ ファクタータイプ ]オプションは、[プロパティ]パネルの[ートメタル] グループに表示されます。ディフォルトでは、K ファクタータイプは変数に設定されますが、定数の K ファクターを設定することもできます。

定数[K ファクタータイプ] オプションには、そのパーツに対する数値を入力できます。このオプションを使用すると、デザインを他のメインストリーム CAD 機能にマップする、あるいはデザインをメーカー独自の基準や公差レベルを調整してさまざまな展開結果を達成することができます。

そのメタルの加工特性に対応するように K ファクターの変更のみをするべきです。