DesignSpark Mechanical は、Windows VistaTM、Windows 7、Windows 8 の Microsoft タッチテクノロジをサポートします。これにより、タッチスクリーン上でタッチペンや複数の指を使用し、デザインを操作できるようになります。マルチタッチ機能を持つタッチスクリーンにより、以下の操作が可能となり、操作性が向上します。
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常に指で操作するユーザーインターフェース制御。そのため、マウスを頻繁に使用する必要がありません。
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ビューのパンや回転などの 3D 操作。修飾キーや専用のツールを使用する場合とは異なったナビゲーションメカニズムを提供します。
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より直感的な選択。操作するジオメトリに直接自分の指を置くという考え方です。
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より実践的な環境におけるモデリング。仮想のパーツではなく現実のパーツを操作しているように感じます。
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大型のマルチタッチディスプレイを使用した、リアルタイムでインタラクティブなデザインレビュー。
DesignSpark Mechanical のマルチタッチ機能を使用すると、DesignSpark Mechanical のアプリケーションウィンドウを 2 つのマルチタッチモニターにまたがって拡張できます。また、DesignSpark Mechanical をモニタ間で移動させて、どちらかのモニタに DesignSpark Mechanical ウィンドウ全体を表示することもできます。
DesignSpark Mechanical ユーザーモデルに適合し、同モデルを強化するようにマルチタッチ機能の最適化に多大な労力を払いましたが、マウスを完全に置き換える意図はありませんでした。タッチはそうした方が簡単に感じられるときに使用し、マウスはタッチスクリーンとともに使用します。同じ指針が、キーボードのショートカット、さらには正確な選択テクノロジに対しても適用されています。ユーザーがタッチを試みてユーザー操作性が改善した点を確認するようにお勧めしており、フィードバックを大変歓迎しています。
タッチ機能はさまざまな方法で、DesignSpark Mechanical に組み込まれています。
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ナビゲーション (スピン/パン/ズーム/回転) は、新たに登場した Microsoft の標準操作を使用しています (これらは 2D から 3D へと拡張されています)。
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ツールバーボタンの正確な選択は、指では区別しにくいアイコン上にヘッドアップバブルノートを表示することにより、簡単に実行できます。
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種類を簡単に選択するために、主要なツールに到達するショートカットとして、およびエッジループを選択する手段として、放射状メニューが導入されています。
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他のオブジェクトに隠れたオブジェクトを選択するために、マウスホイールが存在しない場合は、フリック操作がその代わりとなります。
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(アセンブリコンポーネントで) [移動] ツールで自由に移動できる軸などの難しい選択を、可能な場合は自動選択により簡単に行っています。
HID 対応デバイスの場合、DesignSpark Mechanical は高速な HID 信号を使用します。
非対応ハードウェアの場合、DesignSpark Mechanical は Windows 7 および 8 に組み込まれているマルチタッチ API を使用します。
DesignSpark Mechanical のタッチインターフェースを操作するために、2 つのモードが追加されています。
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タイミングベース: このモードは、タッチ信号が維持された時間に基づいて、自動的にタッチ機能を選択します。例えば、一緒に移動する 2 本の指を使用してすばやくドラッグするとパンが実行され、一方、2 本の指をしばらく押し付けたままにしておき、その後移動すると、通常は右マウスボタンでドラッグしたマウス操作が実行されます。
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ハンドルベース: このモードは、既存の DesignSpark Mechanical ユーザーのタッチインターフェースへの移行を意図しています。既存のマウスボタンと一般的なキーボードボタンが、スクリーン上のハンドル (オンスクリーンキーボード) に配置され、既存の機能とタッチインターフェースが明確にマッピングされます。ハンドルスタイルでは、使いやすさに関する利点は明確ではありませんが、タッチインターフェースを使用した新しい試みをユーザーに促しています。ハンドルのボタンは、全くマウスとキーボードボタンに類似しているので、ハンドルの使用法についてはここで明確には説明しません。
例外として、ハンドルではフリック操作ができないので、他のオブジェクトの下にあるオブジェクトを選択するには、オブジェクトの上にハンドルを配置し、次にハンドルの [選択] ボタンをハンドル円の周りでドラッグします。すると、ホイールを回転させるのと同様に作用します (このようにマウスホイール機能とより直接的にマッピングしています)。
マウスの操作性は、常に見えているカーソルが特徴となります。ディフォルトモードでは、カーソルは他に影響を与えることなく画面上を移動します。マウスを使用しても、ボタンを押すか、またはボタンを押しながら移動するまでは、何も起こりません。反対に、タッチの場合は、常に見えているカーソルは存在しません (いずれにしても指のためによく見えません)。そのため DesignSpark Mechanical では、ディフォルトモードでは、選択を行うまでは何も起こりません (さまざまな選択方法については以下で説明します)。タイミングベースモードでは、一度選択が実行されると、後続するタッチ移動は、マウスボタンのドラッグ操作と同様に作用します。ここでのハンドルにおける重要な違いは、ユーザーにとって最も明確なものであり、それは全てのタッチ移動は選択前の動作と解釈されることです。ハンドルの [左] というラベルのボタンを使用してスクリーンをタッチしただけでは、ドラッグとして動作します (マウスの左ボタンと同様)。
さらに、直線の終点が指先の下となる場合 (タイミングベースモードの場合)、直線を作成するのは難しいので、ハンドルにより正確なスケッチが可能となります。
基本的なタッチ操作
説明 |
操作 |
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タップ |
瞬間的にスクリーンにタッチします。 |
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ダブルタップ |
瞬間的にスクリーンに二度タッチします。 |
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トリプルタップ |
瞬間的にスクリーンに三度タッチします。 |
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タッチ |
スクリーンにタッチして保持します。タップとタッチの違いを示すために、このマルチタッチアイコンがポップアップします。
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ドラッグ |
スクリーンにタッチし、指またはペンをスクリーン上で移動します。 |
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遅延ドラッグ |
スクリーンにタッチし、少し待ってから、指またはペンをスクリーン上で移動します。このマルチタッチアイコンは、次の選択のための入力は Alt 参照 (通常は青色でハイライト) になることを示すために表示されます。
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フリック |
スクリーンにタッチし、指またはペンを数インチ移動し、その後指またはペンをスクリーンから離します。 |
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ホバー |
ペンをタッチさせずに、スクリーン上を移動します。ペンを使用した場合のみ機能します。 |
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放射状メニュー |
スクリーンを 1 本の指でタッチし、他の 2 本の指でタップすると、放射状メニューが起動します。 連続して 2 本の指でタップするか、続けてメニューの中心をタップすることにより、放射状メニューが切り替わります。 ハンドルを使用すると、放射状メニューが無効になります。 |
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ホールド |
一時停止を伴うマルチタッチ操作を使用すると、アニメーションが表示されます (たとえば、2 本の指でタッチし、待ってからドラッグして操作モードを起動する、など)。アニメーションは、円を描画しながら待ち時間を表示します。円が完成すると、待ち時間が終了し、代わりの動作が起動されます。円が完成する前に指を持ち上げたり移動したりすると、代わりの動作やモードは起動しません。そのため、この 2 本の指によるタッチの例では、ビューのパンが取り消されます。 1 本、2 本、3 本、または 4 本の指をホールドして、異なる機能を起動します。 |
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ナビゲーション
操作 |
< p> |
パン |
2 本の指を画面上で同時に広げます。 |
ズーム |
2 本の指を離れるように移動すると拡大し、近づけるように移動すると縮小します。 |
回転 |
1 本の指を回転させたい軸の上に保持し、別の指を最初の指を中心とした円弧状に移動します。 |
スピン |
3 本の指を一緒にスクリーン上で移動します。 |
軸のスピン |
1 本の指をスピンさせたい軸の上に保持し、2 本の指を画面上でドラッグします。 |
スナップビュー |
3 本の指をホールドすると、[スナップビュー] ツールがアクティブ化されます。[スナップビュー] ツールがアクティブになっている間は、左マウスクリックの代わりにタップが、左マウスフリックの代わりにフリックが使えます。再度 3 本の指をホールドすると、[スナップビュー] ツールが非アクティブ化されます。Escape キーを押して終了することもできます。 |
![]() |
マルチスクリーンを使用する場合、 オペレーティングシステムレベルでタッチスクリーンとして指定されているスクリーンであれば、DesignSpark Mechanical はタッチ入力を検出します。DesignSpark Mechanical セッションのウィンドウが複数のマルチタッチディスプレイに表示されてる場合、順番にディスプレイを使用してマルチタッチ操作を行えます。 |
操作 |
タッチまたはペンの操作 |
マウス |
ジオメトリを選択 |
指: タップ ペン: ホバーして選択をプレビュー、タップして選択 |
クリック |
ジオメトリを選択に追加または削除、クエリで選択されたエッジループを削除 |
Ctrl キー + タップ |
Ctrl キー + クリック |
ジオメトリを選択に追加 |
Shift キー + タップ プルおよび選択では: ドラッグしてオブジェクトを事前ハイライトし、次に指を離します。 |
Shift キー + クリック |
代替参照の選択にジオメトリを追加 |
Alt キー + タップ
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Alt キー + クリック |
エッジの正接チェーン、接線で結合した面、連続したエッジループなどの選択 |
ダブルタップ、またはタッチおよびダブルタップ
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ダブルクリック |
ソリッドの選択 |
トリプルタップ、またはタッチおよびトリプルタップ |
トリプルクリック |
次の面またはエッジの選択 (面またはエッジに隠れている) |
指: ドラッグして事前選択し、次にフリックして 1 本の指を離す
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マウスホイールをスクロール |
ボックス選択 |
指またはペン: タッチして一時停止し、右または左にドラッグ |
クリックしたまま保持し、右または左にドラッグ |
4 本の指でボックス選択 |
2 つのモードがあります。
これにより、目的のオブジェクトを選択する機会が一度ではなくなり、確定する前に選択をプレビューして変更できます。わずかな指の動きによって、プレビュー操作が停止することはありません。 |
なし |
面またはエッジをなげなわ選択 |
[選択] をクリックし、次に [投げ縄を使用] をクリック |
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ペイント選択 |
[選択] をクリックし、次に [ペイントを使用] をクリック |
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コンテキストに応じたメニューの起動 (右マウスボタンのメニュー) |
指またはペン: マルチタッチサークルが表示されるまでタッチし、指またはペンを離します。 ペン: ペンのボタンを押してタップ ハンドルを使用している場合は、[右] というラベルのボタンのみをクリック。 |
右クリック |
操作認証を使用 (マウスおよびタッチ操作を参照) |
指: 2 本の指でタッチし、一時停止して操作パターン内をドラッグします。以下のようなマルチタッチサークルが指の下にポップアップすると、いつ操作が開始できるかがわかります。 ペン: タッチして、ペンのボタンを押しながら操作パターン内をドラッグします。 ハンドルを使用している場合は、[右] というラベルのボタンのみをドラッグします。 |
右マウスボタンを使用した操作 |
ペンおよびタッチ入力を全てリセット |
Ctrl キー + Shift キー + F2 キー |
なし |
拡大鏡ウィンドウの起動 |
Ctrl キー + Shift キー + F3 キー (これにより、タップ、ダブルタップ、またはアップ選択による正確な選択のためのドラッグが 10% 遅くなります。) |
該当なし |
Ctrl、Alt、Shift、Tab、Esc、Enter、およびスペースバーのキーパッドを起動 |
Ctrl キー + Shift キー + K キー (スクリーンが回転するためにキーボードが見えにくいタブレット PC の場合に有用) |
なし |
プル実行時に選択を追加 |
1 回のドラッグ操作で何かを選択してプルを実行しているとき、ドラッグ操作を一時停止し (指は下ろしたまま)、別の手の指で標準のマルチタッチ選択方法を使用してさらにジオメトリを選択します。最初の指による継続中のドラッグは、新しい (追加された) 選択をプルします。 2 番目の選択がタッチおよび保持 (マルチタッチアイコンが青色に変わり、選択されるまで継続) で開始された場合、2 番目の選択は Alt 参照として扱われ、[プル] ツールはそれに応じて対応します。 |
なし |
プル実行時のナビゲート |
1 回のドラッグ操作で何かを選択してプルを実行しているとき、ドラッグ操作を一時停止し (指は下ろしたまま)、別の手の 2 本または 3 本の指を使用してスピン/パン/回転/ズーム操作を実行します。最初の指による継続中のドラッグは、既存の選択をプルし、同時にモデルは視覚的にナビゲートされます。 |
なし |
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ジオメトリを選択してドラッグし、変更します。
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すばやくドラッグし、ジオメトリを事前ハイライトします。空白スペースをタッチし、ドラッグして事前ハイライトすることもできます。これにより、選択する前に何が選択されるかを表示することができます。
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ジオメトリを事前ハイライトした後、2 本目の指でタップするか、または最初の指を離して、ジオメトリを選択します。
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マルチタッチの代わりにマウスを使用するときと同様に、スペースバーを押して面のオフセットの寸法を入力します。
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ホワイトスペースで開始します。1 本の指でドラッグしてからエッジ上にマウスカーソルを移動し、別の指でダブルタップすると、利用できるエッジループをクエリ選択できます。これは、単純なダブルタップと同じ動作です。
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ホワイトスペースで開始します。1 本の指でドラッグしてから面の上にマウスカーソルを移動し、別の指でトリプルタップすると、ボディの全ての面を選択できます。これは、単純なトリプルタップと同じ動作です。
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面、ボディ、またはコンポーネントを選択し、移動または回転します。
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2 番目のオブジェクトを選択し、方向を設定します。
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黄色のボールの中央をドラッグし、移動ハンドルを再アンカーします。
- タップして、回転軸または直線軸をアクティブにします。これはペンまたは指を使用して、軸に沿ってドラッグして選択する最も簡単な方法です。
- ドラッグして、ジオメトリを移動または回転します。
マルチタッチデバイスは、Windows VistaTM が稼働するコンピュータで自動的に検出され、DesignSpark Mechanical は VistaTM 上でこれらのデバイスを使用して実行できます。VistaTM におけるマルチディスプレイとマルチタッチに関する一般的な問題を避けるためには、一度に 1 台のディスプレイのみを構成する必要があるかもしれません (この現象は、マルチタッチスクリーンのデスクトップを指でドラッグしても、他方のスクリーンで作成されたボックスしか表示されないというものです)。
最初に、マルチタッチスクリーンを唯一のディスプレイデバイスとしてセットアップし (これをプライマリディスプレイとする)、次に 2 台目のディスプレイデバイスを構成する必要があります。この後、この設定が記憶され、可能となったマルチタッチを使用して、DesignSpark Mechanical セッションを 1 つのスクリーンから他方にドラッグできるようになります。