ベンド展開長補正テーブルは、平面のパターンレイアウトの計算に使用します。このテーブルは、ベンド展開長補正 (BD) 式に基づいています。BD 式とは、フラットな線長を計算して個々のベンド角を得るものです。
上の画像の D は外部セットバック、すなわち、半径の正接点からベンドの外側の頂点までの距離です。
90 度のベンドでは、次のような計算式になります。
D = BR + T
および
BD = 2(BR + T) - BA
ここで、BA はベンド許容量、すなわち、中立線に沿ったベンドの円弧長です。中立線とは、材料の応力が圧縮応力 (内側) から引っ張り応力 (応力) に変わる位置の半径です。
ただし、90 度は特殊なケースになります。一般式の形は、ベンド角が 90 度以外のケース (上の 2 番目と 3 番目の画像) から導出されます。
ベンド角が 90 度以外の場合の式は次のようになります。
D = Tan(A/2) x (BR + T)
および
BD = 2Tan(A/2) x (BR + T) - BA
ベンド角が 90 度の場合の式は次のようになります
A/2 = 45 and Tan(45) = 1 したがって、
BD = 2(BR + T) - BA
ベンドテーブルがパーツに割り当てられていない場合、ベンド許容量はシートメタルオプションにあるディフォルトの Kファクターから計算されます。[プロパティ] パネルでシートメタルパラメータの値を入力すると、ベンドテーブルのベンド展開長補正は上書きされます。
ベンド許容量からベンド展開長補正を正しく計算するために、 ベンド展開長補正に負の値を設定することもできます。
シートメタルベンドテーブルを使用して展開長を計算するには
-
CSV ファイルを SpaceClaim の Library/Bends フォルダまたは サポートファイル ディレクトリにコピーします。
-
ストラクチャーツリーでコンポーネントを選択し、[ベンドテーブル] プロパティからベンドテーブルを選択して、シートメタルコンポーネントのベンドテーブルを設定します。
全ての値が、計算されることなくベンドテーブルから取得される可能性もあります。ベンドテーブルから取得されなかった値は、デザインを展開する際にエラーになる可能性があります。[ベンドテーブル] プロパティドロップダウンから空白値を選択することで、コンポーネントからシートメタルブレンドテーブルの割り当てを解除できます。
以下のテーブルは、スプレッドシートエディタで表示されるような、単純なベンドテーブルです。キーワードは太字で表示されています。
シートメタルデザインを展開する場合、デザインの板厚、ベンド内径、および角度を使用して、選択したテーブルの値を決定します。
ベンドテーブルを選択すると、[プロパティ] パネルで [V字形ダイス幅] プロパティを編集できます。V字形ダイス幅は、ベンドを形成するツールの幅を設定します。
コンマ区切り値ファイル
ベンドテーブルファイルは、コンマ区切り値 (CSV) ファイルとして保存されるので、編集可能です。以下のファイルは前のテーブルと同じデータですが、コンマ区切り値ファイルに保存される形式で表示されています。
ベンドテーブルのキーワード、説明、パラメータ
キーワード |
説明 |
パラメータ |
Version,<バージョン番号> |
ファイルフォーマットのバージョンを指定します。 |
ファイルフォーマットのバージョン番号が表示されます。現在のバージョンは 2.00 です。バージョン 1.00 もサポートされています。 |
Type,<タイプ名> |
ファイルに含まれるデータのタイプです。 |
テーブルに含まれるデータのタイプを表す単一の文字列です。 サポートされる値は、ファイルフォーマットのバージョンによって異なります。
|
Units,<単位タイプ> |
単位が明確にされていない数値には、ディフォルトの単位が使用されます。 |
使用できるのは、in、mm、または cm のみです。 |
Thickness,<値> |
ベンドテーブルの定義を開始します。 |
1 つのパラメータで、テーブルのベンド展開長補正が定義される板厚を指定します。 |
VeeDieWidth,<値> |
オプション。オプションのツールパラメータを指定し、特定の板厚での複数のベンド展開長補正値の使用を可能にします。 Thickness キーワードの後におく必要があります。 |
1 つのパラメータで、ダイスツールの幅を指定します。 |
AngleValues,,<値>,… |
ベンド展開長補正テーブルの列を定義します。 テーブルの整列で補助用に追加される空白セルに注意してください。 テーブルで定義される値は、前の Thickness および VeeDieWidth キーワードと関連付けられています。 |
角度のリストです。度数で指定します。 |
Radius,<半径>, <補正値>,… |
ベンド展開長補正テーブルのボディを定義します。 個々の補正値は除外される場合があります。 補正値の合計数は、上記の AngleValues キーワードで指定された値の数を超えることはできません。 |
最初のパラメータ (Radius) は、テーブル行にベンド内径を表示します。2 つ目以降のパラメータは全て、角度と半径の各組合せの補正値を表示します。 |